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あどけない寝顔は普段の彼からは想像が出来なかった。
「……そんなに見られると感じるんだけど」
眞辺の長いまつ毛をたたえた瞼がゆっくりと開いた。
「……起きてたの?」
「起こされたんだろ」
と、眞辺は不機嫌そうにむっくりと上半身を起こした。
しかし、眞辺の機嫌を損ねたのは起こしてしまったからじゃない。
「俺は起きてても可愛いけどな」
『どこが?』と、ツッコミを入れたくなるのをぐっと抑え、眞辺の機嫌をこれ以上損ねないために「そうだった?」と、笑顔をつけてキッチンに戻った。
「ゆっくり眠れた? あんまり疲れ取れなかったんじゃない?」
私はリビングを振り返りながら言った。
「いや、そんなことねえよ。それに、朝めし付だろ?」
眞辺は伸びをしながらキッチンを向かって答えた。
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