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夜が来るのが待ち遠しくもあり、怖くもあった。
いつもと変わらないはずの時間の流れでさえ、私の気持ちを煽(アオ)っているかのようにとても早く感じ、
今日中に仕上げたい原稿に向き合い、気付けば22時になろうとしていた。
入稿日の前はこれくらいの時間からやっとぽつりぽつりとデスクが空になっていく。
「眞辺、今やってる原稿、明日デザイン回していい? カフェ特集の見開き4ページ。素材は集めてあるから」
私は当然のように席にいる眞辺に言った。
「納期は?」
「来週中にラフ案提出」
「来週中って、やけに幅あるな。最悪金曜でもいいってことか」
「そうだね。まあ、早ければ早いほどいいんだろうけど」
「んー、了解」
「ありがとう。よろしく」
二人とも顔を上げずに会話する。
その間も私はキーボードを叩き、眞辺はタッチペンを動かしているからだ。
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