栗きんとん

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「ごめん……何か言った?」 私は耳を抑えながら唾を飲み込んだ。 「……いや、別に」 眞辺の静かな返事が耳の痛みを和らげる。 「大丈夫か?」 「あ、うん……平気」 「次、サービスエリアで休憩しようぜ。お茶、必要だろ?」 「お茶?」 「栗きんとん」 「あ、あぁ、うん……」 私が返事をしてからしばらく沈黙が続いた。 車はその沈黙から抜け出そうとするように ゆっくりと左に反れてサービスエリアに入った。
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