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私たちはしばらくの間無言だった。
私の場合は何かを考えていたわけじゃない。
ただぼんやりとして
何も考えていなかった。
窓ガラスに映る自分の顔がどんな表情をしているのか、
それすらもわからなかった。
唯一の救いは
眞辺に橋爪くんが私を好きだと聞いた後も
何の実感も湧かなかったことだ。
それほどまでに彼が私を好きだなんて、まるで現実味がないことだったのだ。
行きは空いていた高速道路はどこかで事故があったようで、先程から渋滞し始めていた。
よりにもよってこんな雰囲気のときに……
私は心の中でため息をもらした。
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