栗きんとん

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「男だったら当然だろ」 「もうやめてよ」 「それに男に限らず、女だって普通にしたくなるだろ? お前だって……」 「私は違うから!!」 何で私たちは音楽も掛けずにいるんだろう。 ここでポップな音楽でも流れていれば 少しでも気が紛れていたかもしれないのに。 「……ごめん、大きい声出して。本当に余計なお世話だった。もうやめよう。別に眞辺がどうであろうと私には関係ないし」 作り笑いは苦笑いにもならず、口元が引きつっただけだった。 「そうやって、また逃げる。 お前はいつもそうやって……何から逃げてんだよ?」 フロントガラスに映る夜が 向かい来る果てしない闇のように思えた。
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