404人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん……何か言った?」
私は耳を抑えながら唾を飲み込んだ。
「……いや、別に」
眞辺の静かな返事が耳の痛みを和らげる。
「大丈夫か?」
「あ、うん……平気」
「次、サービスエリアで休憩しようぜ。お茶、必要だろ?」
「お茶?」
「栗きんとん」
「あ、あぁ、うん……」
私が返事をしてからしばらく沈黙が続いた。
車はその沈黙から抜け出そうとするように
ゆっくりと左に反れてサービスエリアに入った。
最初のコメントを投稿しよう!