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「お袋さんはただお前に幸せになってもらいたいだけなんだよ。自分が幸せだと思ってた生き方がそれだと信じてるなら、それをお前に勧めるのは当然のことだろ。
お前が今の生活で幸せだって思ってるんなら、お袋さんの望みはほとんどもう叶ってる」
私は眞辺の横顔をじっと見つめた。
すぐに声にならなかったのは返す言葉を失っていたからだ。
そんな風に考えたことなんかなくて、
自分から話すことも諦めていた。
母とは違う方法かもしれないけれど
私はちゃんと、幸せだ。
眞辺の言葉に胸の奥が熱くなる。
「……ありがとう」
私は呼吸をするようにそっとこぼした。
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