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「……ありがと。眞辺って……すごいね。やっぱり、何かを生み出す人って、人とは違う見方が出来るのかな」
私は本心から感心していた。
「バーカ。お前も一緒に生み出してんだろ。デザインと同じ。ちょっと見方を変えたらいい案浮かんだりするだろ?」
「……確かに」
眞辺に言われると笑いが込み上げてきた。
「思い込んでたら……気付くものも気付けないってことだよね」
眞辺は赤信号で止まり、しばらく私を見つめると
「そういうこと」
と、私のこめかみを指先で押した。
「痛いし」
私はそう言いながらも笑い、
「食べよっか」
と、紙袋から栗きんとんの入った箱を取り出した。
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