404人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「これ……眞辺が彼女のために買ったんだと思ってた」
私は綺麗な和紙に包まれた栗きんとんを一つつまみあげて見つめた。
眞辺の……
正体不明な彼女。
自分の彼女のことをあまり話したがらない男性がいてもおかしくないが、
眞辺の彼女については会社のメンバーでも詳しく知っている人は誰もいない。
実は私も
橋爪くんから聞いただけで、
眞辺から直接聞いたことはない。
もともと、他人のことをあれこれ詮索するのは好きではないし、
相手が眞辺だと、気軽に訊けそうで……
……逆に訊けなかったりする。
どんな……彼女なんだろう?
「お前さ、それ、何なんだよ?」
眞辺は私の思考を断ち切るように言った。
最初のコメントを投稿しよう!