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「え? いないの!?」
思わずシートから背中を離した。
「何なんだよ、その反応は」
「だって眞辺……自分でも言ってるくらいだし、モテるでしょ?」
「モテるのは仕方ねえだろ。こんなにいい男なんだから」
「出た出た」
私は呆れて腕組みをした。
「モテるのと女がいるのとは別だろ」
そう言いながらも、眞辺のような容姿の男に彼女がいないというのも、にわかに信じられなかった。
認めたくはないが、傍から見れば、いい男なのだ。
「ふーん。でも……みんなも言ってるし。彼女はいるんじゃないかって」
「みんなって、どうせ橋爪だろ? お前の気を引こうとして、アイツも必死だから」
眞辺は鼻で笑って答えた。
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