電話の女【眞辺Side】

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……ぜひ、そうしてもらいたい。 しかし、俺の個人的意見はしっかり飲み込む。 俺が何も言わないことでそれを肯定の意味ととらえてくれたなら、全くないと思っていた常識もほんの少しはあるということか。 「食事は? もしかして、アレ、嘘なの?」 不安になったのか彼女は強気な口調はそのままに俺に尋ねる。 「まあ、それは。約束しちまったから」 当然ながら全く気乗りはしないが、 こういう相手だからこそ 一度した約束は果たしておいた方がいい。 ……後が、面倒くさい。 わかってた。 だからこそ俺は、 後日、その約束を果たした。
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