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杉浦は大袈裟なくらい明るく言った。
その声を聞いて、俺は言わずにはいられなくなった。
「悪かった……」
せっかく杉浦が明るくしようとした車内の空気がまた重く沈む。
「……別に」
杉浦は素っ気なく、そして短く言った。
気にすることはない。
俺だっていつも似たようなものだ。
……気にすることはない。
杉浦は「全然、気にしてない」と、付け足した後、紅屋の紙袋から箱を取り出し、包装紙をほどいた。
「私たち、ちょっと甘いものが必要なんだよ」
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