電話の女【眞辺Side】

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「……続きの撮影を頑張ってくれたら」 「やる! 私頑張る! 眞辺さんのために頑張るから!」 彼女が腕に飛びついてきた。 「スタジオに入ってもそのやる気で」 「もちろん! 眞辺さんが見ててくれたら頑張れるから!」 「さ、早く行きましょ」と、彼女は俺より先にスタジオのドアを開けた。 スタジオでは彼女のさっきまでとは真逆のテンションに俺が何をしたかと勘繰るだろう。 少し遅れてスタジオ入りすると、後ろから肩を叩かれた。 「眞辺君、いったいどんな魔法かけたのよ?」 「社会人なら最後までちゃんとやれって言ってみたんですよ」 俺はそう言うとスタジオの隅へ移動した。
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