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私がいつもの調子で応えると、眞辺は少し拍子抜けしたような顔をした。
私はそれで思い出した。
さっき……
橋爪くんが私のことを好きだって、聞いたことを。
橋爪くんと顔を合わせても、そのことを忘れていたくらい自然だった。
普段と何も変わらない。
もしかすると眞辺はそのことに驚いたのかもしれない。
いつもの私なら下手に意識してギクシャクするか、自分からは全く話しかけない、といったところだろう。
眞辺は私の態度が自分の予想外だったことが腑に落ちないでいるのだろうか、
わざとらしくため息をついた。
そして、急に橋爪くんのように子供になった。
「あーあ。ピンクのネオンが呼んでたのによ」
「バカ言ってないの。眞辺、すぐデータ取ろう。私、カメラ持ってくる」
私は眞辺の言葉を切り捨てると、休む間もなく撮影用の一眼レフを取りに行った。
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