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「杉浦さん、終わりましたか?」
私が戻ると倉田さんはホッとしたように顔を緩ませた。
そんな笑顔を見せられると、言いにくくなる。
「あ、はい……」
「じゃあ……」と、彼は言い掛けて言葉を詰まらせた。
困り果てた私の顔色と、私が彼の前の椅子を引かないからだろう。
「倉田さん、申し訳ありません!」
私は苦い顔で頭を下げた。
「杉浦さん?」
彼は私の様子に「何か……あった?」と、心配そうに問いかけた。
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