せめぎ合いー2

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勢いよく飛び出してはみたものの、 フロアはまだガランとしていた。 「あれ……?」 慌てて壁掛け時計を確認すると、まだ八時半だった。 そのことに安堵しつつ、別の疑問が。 「橋爪くん……どうしたの?」 フロアには眞辺と一緒に橋爪くんがいた。 おまけにいるのは眞辺のデスクだ。 「あ、杉浦さん。おはようございます。寝起きの顔、いいですね。化粧っ気がないと少し幼くなるんですね」 「え……? やだ、見ないでよ」 私が顔を隠すと彼はそのことも面白がっているのか、 「隠さなくてもいいじゃないですか。結構可愛いですよ。寝ぐせも」 と、笑いながら言った。 私は思わず眞辺を見た。 どこかいつもの橋爪くんと違う気がしたからだ。 「……からかわないでよ」 私は乱れていた髪の毛を指先で撫でつけた。
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