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勢いよく飛び出してはみたものの、
フロアはまだガランとしていた。
「あれ……?」
慌てて壁掛け時計を確認すると、まだ八時半だった。
そのことに安堵しつつ、別の疑問が。
「橋爪くん……どうしたの?」
フロアには眞辺と一緒に橋爪くんがいた。
おまけにいるのは眞辺のデスクだ。
「あ、杉浦さん。おはようございます。寝起きの顔、いいですね。化粧っ気がないと少し幼くなるんですね」
「え……? やだ、見ないでよ」
私が顔を隠すと彼はそのことも面白がっているのか、
「隠さなくてもいいじゃないですか。結構可愛いですよ。寝ぐせも」
と、笑いながら言った。
私は思わず眞辺を見た。
どこかいつもの橋爪くんと違う気がしたからだ。
「……からかわないでよ」
私は乱れていた髪の毛を指先で撫でつけた。
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