せめぎ合いー2

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彼は愉快そうに笑った。 だけど、何だろう。 私は笑えなかった。 彼の知ったかぶった言い方か、 生意気な笑い方か、 何かが私の気に障った。 だけど、後輩相手に目くじらを立てるほどのことではない。 私は気持ちを落ち着かせ、口を開く。 「私と眞辺の関係は、ただのトモダチとはちがうけどね」 私は笑顔を作った。 「橋爪くんにはわからないのよ」 私は軽く言って自分の席に着き、クライアントからのメールを二人より遅れて確認した。 「さすが眞辺。ほとんど修正なしだね。もうできてる? 出来てたら確認するから送って」 「了解」と、眞辺からすぐさまデーターが送られてきた。 「修正部分は橋爪にやってもらった」 「そっか。眞辺もチェックしてくれた?」 「もうしてある」 「ありがとう。橋爪くんもありがとね」 私は眞辺に言い、橋爪くんにも明るくお礼を言った。 しかし、モニターで遮られた橋爪くんの顔から笑顔が消えていたことには 気付いていなかった。
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