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私ってば、完全に彼の手のひらの上で転がされている。
だけど、こんな風に男性から積極的にアプローチされたのは初めてで、
恥ずかしくて、照れるし、あたふたするけど……
……全然嫌じゃない。
女扱いされるって……
……嬉しい。
私の返事に倉田さんの目が細まり、目尻がぐっと下がった。
「もちろんだよ」
そして、プライベートでも連絡できるように、アドレスを交換した。
「このまま二人でドライブにでも行ってしまいたいけど、そんなことしたら、きっと眞辺くんがカンカンに怒るだろうね」
車に到着し、乗り込んだ彼は、ハンドルを握りながら冗談を言った。
そんなことしたらカンカンどころじゃない。
「……はい。たぶん、私が受けた案件、まったく引き受けてくれなくなりそうです」
私がため息交じりに言うと、彼は肩をすくめて笑った。
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