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「なら、行こうよ。今日は大サービスで私が焼いてあげるから」
「お前が?」
「ほら、前に、紅屋の件、受けてくれるなら何でもしてあげるって言ったじゃない?」
眞辺と焼肉に行くときは、決まって眞辺が焼きの担当で、私は口は出すが手は出さないと決めているのだが、眞辺との約束を今更ながらに思い出してこじつけた。
すると一瞬、眞辺は不服そうな顔を見せる。
「……何でもって、これかよ?」
「……そうよ。他に何かある?」
眞辺との約束を早く果たしたい私はにっこりと笑って見せる。
眞辺は少し考えてから諦めたようにため息をついた。
「……ってか、お前上手く焼けるのかよ?」
「焼くわよ」
私が意気込むと、眞辺は鼻で笑い、「じゃあ、頑張るか」と少し声色を明るくした。
「じゃあ、店、予約しとくね」
私は、早速、電話をかけに席を立った。
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