親友の告白

19/31
前へ
/31ページ
次へ
「そんなこと……」 と、言い掛けて私は眉をひそめて口をつぐんだ。 「ないって、言えないんでしょ? 思い切れないのは自分の気持ちが弱いからよ。本当に好きだったら仕事とか、得意先とか、そんなの関係なく会いたくなっちゃうと思うし、ほかのことなんてどうでもよくなるのよ」 優香は断言した。 「まだそこまで……。だって会ったばっかりだし……」 優香にきっぱりと言い切られ、私はたじろいでしまった。 すると、優香は鼻から長い息を吐き出した。 「私も……彼の方から告白されて、自分の気持ちがあやふやなまま付き合って。彼が私のことを思ってくれてるのがわかってたから、そのうち私もすごく彼のこと好きになれると思ってたの。 もちろん、好きだったよ。 だけど……結局こうなっちゃった。 何かに違和感を感じてると、自分の気持ちが……だんだん相手の気持ちに追いつかなくなるの」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

484人が本棚に入れています
本棚に追加