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エスカレーターに乗り込み、最上階のレストラン街へ向かうと、
私は優香を引き摺るようにして無理やり喫茶店に入った。
注文を取りに来た店員に優香が先にミルクティーを頼んだので私も「同じもの」と、メニューも見ずにすぐさまオーダーした。
「相変わらず男前なんだから」
優香はいつものように微笑んだ。
「やっぱり私……美尋と結婚しようかな」
優香は再び微笑んだが、
私は少しも笑えなかった。
「ねえ、優香……。高梨さんと……何かあった?」
優香は弱々しく首を振った。
「相変わらず優しいし……」
「じゃあ……結婚の準備も順調?」
私は優香の返事に少しだけ安堵しながらも恐る恐る聞いた。
「……何とか。彼は忙しいから、私がいろいろやらなきゃいけないんだけど。あ、それは全然大丈夫なんだけどね」
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