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「優香……もしかして……あの時も思ってたの?」
二人で結婚祝いをしようと女子会をした日、
優香は【結婚】という現実にそれほどはしゃいだりしなかった。
私は彼女が持つ余裕の表れなんだと思っていたけど、
そうじゃなかったのかもしれない。
「……うん。少しね」
優香はそう言った後静かに目を閉じて深呼吸すると、その先を続けた。
「自分でも……気のせいだって思ってたの。彼は優しいし、私のことも思ってくれてる。結婚したって、きっと不自由なく暮らせると思う。自分は恵まれてるんだって……。
あの日、美尋に会って、『おめでとう』って言ってもらえたら、気分も変わるのかもしれないと思ってた。
でも……
……その逆だった」
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