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「大丈夫? 毎日ちゃんと食べてるの?」
カルビを網に載せ、肉の焼ける音を聞きながら眞辺に尋ねた。
「お前に心配されるとは、俺も終わったな」
「……失礼な。せっかく心配してるのに」
眞辺の言葉に、私は網の上の手を止めて睨みを利かせる。
しかし、私の視線など関係なしに、肉のほうを心配する眞辺は
「焦げるぞ」
と言って、私からトングを奪い取った。
「まともに飯食う時間があると思ってるのかよ? 帰ってシャワー浴びたら布団で寝るのが精いっぱい。お前だって似たようなもんだろ?」
眞辺は私のせいで少し焼き過ぎたカルビを、私のご飯の上に直接乗せた。
ビールが飲めないときは二人ともご飯を頼む。
私はカルビを箸で摘まむと、甘辛いタレをたっぷり付け直し、御飯と一緒に口に放り込んだ。
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