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「船越さん……私たち付き合ってませんけど」
私が言うと、船越さんはキョトンとした顔を見せ、
「別に、俺に隠すことないだろ」
と笑い飛ばした。
……完全に、誤解している。
私が改めて否定すると、船越さんは目を見開いて
「嘘だろ?」
と大きな声をあげた。
私は彼の表情を見つめながらあることに合点がいった。
以前……、徹夜明けの朝、眞辺と同じベッドで休めと言ったのも、彼が私たちの仲を誤解していたからなのだろう。
それはそれで、よかった。
あの時は『オトコ同士だから大丈夫だろう』と言われた気がして、彼に【オヤジ】扱いされたと思っていたからだ。
私が内心ホッとしていると、船越さんは
「なんだよ、俺の勘違いかよ……。紛らわしいな」
と、悔しそうに私たちをふざけて睨んだ。
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