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「どうした? ……もう一回?」
「違うわよ。ただ……触れたかっただけ」
私が正直に言うと、眞辺は私の身体の向きを変え、背中からギュッと強く抱きしめた。
「ちょっと、眞辺こそどうしたのよ?」
抱きしめる眞辺が後ろから私の首に顔を埋める。
「お前が『女』でよかった……」
私は顔をしかめた。
てっきり眞辺がまたふざけたことを言うと思ったのだ。
だけど、それは違った……。
「いつも一生懸命で前向きで。責任感いっぱい背負って肩ガッチガチになるまで仕事してるお前が……
俺の前ではちゃんと、肩の力も抜いて……
ただの女になってる……」
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