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「あ……」
眞辺の言葉で気付かされる。
倉田さんの前では『女』になりきれなかった自分が、
眞辺の前ではいとも簡単に『女』になったのだ。
「ホントだね……」
私が言うと、眞辺はクスリと笑いながら私に顔を摺(ス)り寄せた。
「言っとくけど、俺の前だけの限定な。みんなの前では『かっこいい杉浦さん』でいろよ?」
「ええ?」と、私が笑う。
「俺の前では……」
眞辺が私の胸元で悪戯する。
私は眞辺の指先の動きに鼻から抜ける弱々しい声をもらした。
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