私の知らない色

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「だって今…『美尋』って呼んだし」 杉浦は真っ赤な顔を隠そうと、手のひらで顔を覆ったが、耳まで赤い。 コイツ…… 仕事場とのギャップありすぎだろ。 「そういう顔されると、今すぐにでもキスでもセックスでもしたくなるんだけど?」 「だ、ダメだよ。今はご飯」 「わかってるって。今は、ご飯。後で……」 「食べよ」 杉浦は俺の言葉を遮るように言うと、自らテーブルの料理に箸を伸ばした。 一緒に飯食って、 強引に風呂に入って、 身体を重ねる。 何をするにも、俺は子供みたいにはしゃぎすぎないように自分を少しだけセーブする。 結果的にはそれが出来ていたかはわからないが、 眠りにつくころには、子供みたいに俺の方から杉浦の温もりに擦り寄っていた。 そして、俺たちは、 目覚めと共に、 新しい一週間を迎えた。
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