私の知らない色

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「橋爪のヤツ、生意気にも俺を心配してたらしいぜ?」 モニターの中で橋爪のデザイン画を並べ、眺めながら言うと、杉浦が笑った。 「嬉しいくせに」 「……俺の心配するなんて、100年早いんだっつうの」 杉浦はサイバーテロではないとわかって本気で安堵したのか、自分の席に戻りながら再び笑った。 「橋爪くんて……眞辺のことが好きで好きでしょうがない、って感じだよね」 「はあ?」と、俺は声をあげてしまった。 「前に眞辺、橋爪くんが私のこと、好きだって言ったじゃない? あのとき、私、まったくそんな気がしなかったんだよね。橋爪くんが好きなのは、私じゃなくて、眞辺だと思ってたから。橋爪くんて、眞辺のことを尊敬してて、憧れてて……本当に大好きって感じじゃない?」 杉浦は口元に笑みをつくった。
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