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杉浦の目が大きく見開く。
「や、やめてよ。可愛いなんて言われるの恥ずかしいから」
「バーカ。なんて言おうと俺は言う。お前が『カッコいい杉浦さん』でいるのは会社だけ。俺の前ではカッコよくなくていいの」
「眞辺……」
「実家。一緒に行くの楽しみにしてるからな。美尋の両親にも、ちゃんと挨拶くらいはしておきたいし」
俺は結構な勇気をもって、極めて真面目な発言をしたはずだが、杉浦からは返事がない。
「……挨拶は早いか? やめといた方がいいか?」
不安になった俺が尋ねると、杉浦は目を潤ませながらゆるゆると首を振った。
「じゃあ……なんだよ?」
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