私の知らない色

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「眞辺、起きられる?」 髪の毛をタオルで拭きながら杉浦が戻ってきた。 「……無理」 さっきよりも深く被った布団の中から顔を出すと、杉浦がベッドに腰を降ろした。 「体調悪い? 大丈夫?」 ……そっちは全く問題なかった。 むしろ、昨日よりも体調は良くなっている気がした。 「大丈夫……じゃねえ。何かいいことしてくれたら頑張れる」 杉浦は相変わらずタオルで髪の毛の水気を拭きながら「いいこと?」と、首を傾げた。 「例えば……おはようのチューとか」
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