私の知らない色

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「何だこれ?」 俺はパソコンの前に置かれていたUSBメモリを摘み上げた。 「どうしたの?」 杉浦が向かいから声を掛けてくる。 「なんか……新手(アラテ)のサイバーテロかも」 「サイバーテロ!?」 杉浦が絶叫した。 そして、俺のデスクに駆け寄ってくる。 まあ、確かに、それが事実なら、会社が傾きかねない。 が、もちろん冗談だ。 「サイバーテロって!? ちょっと、ホントに!?」 「嘘」 血相変えてくる杉浦に言うと、もう少しで殴られるところだった。 俺を睨む杉浦に俺は手元のUSBメモリを見せた。 「何これ……? ……橋爪くん?」 USBメモリには『ハシヅメ』と殴り書きした付箋が貼られていた。
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