私の知らない色

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「橋爪くんから……中身なんなの?」 「さあ。 ホントに強力なウイルスでも入れてあんのかもな」 俺は鼻で笑いながらメモリスティックを差し込んだ。 杉浦と顔を寄せ合ってモニターを覗き込む。 中身のデータは…… ……橋爪が考え出した紅屋のパッケージのデザイン案だった。 「あ、アイツあの時……」 「あの時?」 「夕べお前のとこ向かってるとき、橋爪から電話が来たんだよ。紅屋の件どうかって。俺も適当に返してすぐ電話切っちまったんだけど」 「橋爪くん一人でここで作業してたんだ……」 杉浦が顔をモニターに近付けた。 俺はデザイン画を眺めながら橋爪に電話を掛けた。 「データ、受け取った」 橋爪が電話に出るなり俺は前置きもせずに言った。 『眞辺さん、思ってたより余裕みたいですから、そんなの必要ないと思いますけど』 「バーカ。余裕なわけねえだろ」
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