私の知らない色

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橋爪は照れくさそうに一瞬黙った。 『……お力になれるかわかりませんけど。ちょっとですけど僕も考えてみたんで、眞辺さんに見てもらおうかと。前回、ボロボロにダメ出しされたんで、まあ……リベンジです』 「……サンキューな。参考にしとく」 橋爪が頷くのがわかった。 そして、思い出したように言った。 『昨日帰ったってことは……ついに体調でも崩したんですか?』 「ああ……」と、言いながらちらりと横目に杉浦を見た。 本当の理由を橋爪に言ってしまいたいところだが、 簡単に言ってしまうのも惜しいような気がした。 「まあ、そんなとこ。今日は調子いいけどな」 俺の返事はそこに落ち着いた。 『今日は杉浦さんは……』 「いるに決まってんだろ?」 杉浦を見て笑うと、橋爪は『ですよね。なら安心ですけど』と、言って俺を労った後で電話を切った。
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