458人が本棚に入れています
本棚に追加
橋爪は照れくさそうに一瞬黙った。
『……お力になれるかわかりませんけど。ちょっとですけど僕も考えてみたんで、眞辺さんに見てもらおうかと。前回、ボロボロにダメ出しされたんで、まあ……リベンジです』
「……サンキューな。参考にしとく」
橋爪が頷くのがわかった。
そして、思い出したように言った。
『昨日帰ったってことは……ついに体調でも崩したんですか?』
「ああ……」と、言いながらちらりと横目に杉浦を見た。
本当の理由を橋爪に言ってしまいたいところだが、
簡単に言ってしまうのも惜しいような気がした。
「まあ、そんなとこ。今日は調子いいけどな」
俺の返事はそこに落ち着いた。
『今日は杉浦さんは……』
「いるに決まってんだろ?」
杉浦を見て笑うと、橋爪は『ですよね。なら安心ですけど』と、言って俺を労った後で電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!