私の知らない色ー2

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「紅屋のオーナー、どんな人かな?」 乗り込んだエレベーターが動き出すと、私ははやる気持ちを抑え切れずに、これから会う人物像を思い描きながら言った。 老舗の和菓子屋のオーナー…… 物静かで……仕事には厳しくて…… 眞辺も想像力を働かせているのか天井を見上げている。 「どんなオヤジかって……一癖も二癖もあるオヤジに決まってるだろうけど、さすがに老舗のオーナーだな。見る目はあるってことだな?」 眞辺の言葉をすぐに理解できずに「どういうこと?」と首を傾げると眞辺が得意のあの顔をした。 「だからぁ、俺のデザインを気に入るとは、さすがだよな?」 「あ、ああ。そうだね」 やっと気づいた私に、眞辺は不服そうに唇を突き出した。
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