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船越さんが足を止めてゆっくりと振り返った。
「『デート』の方？」
「はい。なかなかデートの時間が取れないんで」
眞辺の言葉に私は気恥ずかしくなって目が泳ぐ。
「お前たち、まさか……」
船越さんは目を見開いた。
「長いこと待たせてすみませんでした。やっと、そういう関係になりました」
眞辺が笑い、私はその横で小さく頭を下げた。
船越さんの顔がくしゃりと潰れ、
「なんだ、そうか！ やっとか！ やったな！！」
と、彼の豪快な笑い声がオフィス街に響いた。
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