私の知らない色ー2

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「仲がいいのはわかりましたから、早く行かないとホントに遅れますよ?」 ため息交じりの橋爪くんの忠告に、私たちは同時に腕時計を確認し、次の瞬間には顔を見合わせた。 「眞辺のせいで遅刻するじゃないのよ!?」 「だから俺のほうが早く準備できてたっつうの!」 私たちは事務所のドアを開けるまで言い合いをしていたが、事務所のドアを開けるときには 「行ってきます!」 と声を揃えていた。 背後に橋爪くんのため息が、もう一度聞こえたのは……気のせいではなかったかもしれない……。
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