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私は眞辺の顔を見て、機嫌を取ろうと思ったわけではないが、眞辺の話に乗った。
「今回はデザインの評価だけじゃなくて、オーナーが眞辺の色遣いを気に入ってくれたみたいじゃない」
これは倉田さんからの情報だった。
紅屋のオーナーはデザインはもちろん、独特の色使いに感銘を受けたらしいのだ。
もちろん、それは眞辺にも伝えられた。
「さすが俺だよなー」
眞辺はその名のとおり天狗になったつもりで顎を突き上げ、鼻を天井に向けた。
「はい、はい」
私は軽くあしらうように返事をしたが、思い直して口を開いた。
「でも……それには、納得しちゃうんだよね」
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