私の知らない色ー2

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私も思わず天井を見た。 「私も眞辺のデザインの魅力は色遣いだと思ってるから。他のデザイナーにはないセンスなんだよね」 私は天井を見たままで言った。 眞辺の顔を直接見て言葉にするのは少し恥ずかしかった。 恥ずかしいのに……言葉は続いた。 「だから、私はそのことを含めて、眞辺のデザインをいろんな人に知ってもらいたいの」 エレベーターが一階に到着すると、振り向きざまに眞辺に言った。 照れはあったものの、本心だったし、デザインマネージャーとしての決意でもあった。
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