私の知らない色ー2

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返事に戸惑いながら、私は白状する。 「好きなことやってるときは……誰だってこんな感じでしょ?」 「好きなことか……」 眞辺の意味深な視線から逃れようとしたが、無駄だった。 その視線に押されるように、私は口を開く。 「眞辺のデザインが好きなだけ。眞辺が作る色が……すごく好きなの」 私の口からすべてを聞き出した眞辺は満足気にニヤリと笑った。 「そんなに『好き』『好き』言われると、仕事中ってこと忘れるんだけど?」 眞辺が顔を突き出すので、私は慌てた。 「ま、眞辺こそ……どうしたらそんなデザインが思いつくの? デザインするとき、何考えてるの?」 「俺の企業秘密を聞くのかよ?」
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