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「これからは……一緒に見られるだろ?」
眞辺が一度空から視線を私に戻し、私の返事を待っている。
「……うん。一緒に見ようね」
私たちは頷き合うと、再び空へ顔を向けた。
空のキャンパスでは、虹が白い雲に溶け込むように、先程までの鮮やかさを失って消えかけていた。
私たちはそれを惜しむように最後まで見つめ、その光景を目に焼き付けた。
空からは雲を突き抜けて日差しが降り注ぎ、空も、街も、目に映るすべてが輝いて見えた。
私は手にしていたスマホをバッグに仕舞った。
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