私の知らない色ー2

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私は改めて気付かされた―― 隣に眞辺がいるだけで、 いつも見る風景は『いつもと同じ』ではなくなる。 彩(イロドリ)を変え…… 鮮やかさを増し…… いつもと違う色に色づいていく。 眞辺がいれば、 私はいつも新しい世界を見ることができる。 私はまた…… いつもの好奇心が疼(ウズ)き出すのを抑えられなかった。 これから先、どんな未来が待っているのかはわからない。 もしかしたらバラ色の人生とはいかないかもしれない。 だけど…… それがどんな色であれ、 眞辺と一緒に見られるのなら、 私にとってはバラ色よりも鮮やかに輝くに違いない。 例えば、ほら―― 今、目の前に広がる空の色でさえ、 今まで見たことのなかった 私の知らない色に見えるのだから。
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