474人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、眞辺」
私が呼ぶと、眞辺が「ん?」と返事をする。
「これからもずっと、私の知らない、眞辺の色で私を染めて」
空から舞い降りてきた心地よい風が私の髪をなびかせる。
そして、私に触れた風はそのまま眞辺の前髪をふわりと揺らした。
眞辺がフッと小さく微笑むのを見て、
私は仕事中だというのに、自分からキスしてしまいそうになる。
けれどその衝動をなんとか抑えた。
だけど……
私の努力も無駄に終わる。
眞辺が私を引き寄せ、唇を重ねた。
「んじゃ、今日は……何色にしてほしい?」
眞辺の笑顔に私は彼の腕の中で微笑み、口を開いた。
「じゃあ、今日は――――」
・・・・・・・Fin・・・・・・・・
最初のコメントを投稿しよう!