番外編【新人デザイナーの憂鬱】

18/33
前へ
/33ページ
次へ
紅屋の件は、眞辺さんと杉浦さんを中心に忙しなく進められていた。 納期が短い為、最優先とは言っても、案件は次から次に舞い込んでくる。 普段は依頼を受ければもちろん嬉しいが、今回ばかりはぬか喜びもしていられない。 化け物と言ったって、さすがの眞辺さんにもキャパってものがある。 しかし、悔しいことに、俺が頼りにならないもんだから社内の調整には苦労するだろう…… あの、杉浦さんが。 しかし、時折一人で頭を抱えるものの、彼女は周りには笑顔を振りまく。 「橋爪くーん! 新しい案件だよー! 明後日までにラフ案いくつか出して。眞辺と一緒に確認して来週月曜にはクライアントに出すから。ちょっと急ぎ」 杉浦さんは彼女の席にやって来た俺に、スケジュールと指示を書き込んだメモを資料と一緒にバサリと渡した。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1849人が本棚に入れています
本棚に追加