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紅屋の件は、眞辺さんと杉浦さんを中心に忙しなく進められていた。
納期が短い為、最優先とは言っても、案件は次から次に舞い込んでくる。
普段は依頼を受ければもちろん嬉しいが、今回ばかりはぬか喜びもしていられない。
化け物と言ったって、さすがの眞辺さんにもキャパってものがある。
しかし、悔しいことに、俺が頼りにならないもんだから社内の調整には苦労するだろう……
あの、杉浦さんが。
しかし、時折一人で頭を抱えるものの、彼女は周りには笑顔を振りまく。
「橋爪くーん! 新しい案件だよー! 明後日までにラフ案いくつか出して。眞辺と一緒に確認して来週月曜にはクライアントに出すから。ちょっと急ぎ」
杉浦さんは彼女の席にやって来た俺に、スケジュールと指示を書き込んだメモを資料と一緒にバサリと渡した。
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