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そして、くるりと身体の向きを変えた。
「小森さん、フォローしてあげて」
小森が「はーい」と返事をすると、杉浦さんはそれに頷いてジャケットを羽織った。
「眞辺時間だよ。行こう」
「もうそんな時間かよ」
ブツブツ言いながら立ち上がる眞辺さんをよそに、杉浦さんはバッグを手にしてドアに歩き始めていた。
二人がいなくなると、事務所の中は静かになる。
杉浦さんは各方面との取次ぎで電話をしていることも多いし、何よりあの二人の会話が事務所内に飛び交っているからだ。
二人が行動を共にするのはしょっちゅうだが、
いつも俺は置いてきぼりにされた気分だった。
「あからさまに寂しがるの、やめなさいよ」
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