番外編【新人デザイナーの憂鬱】

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――――入社して一年。 俺の勤める職場には厄介な大人が二人いる。 一人は俺の席の隣にいる眞辺隼人。 俺の教育係で、先輩で、デザイナー。 ピカイチのセンスの持ち主だ。 もう一人は俺の向かいの席の杉浦美尋。 こちらはバリバリのデザインマネージャー。 いつも一度にいくつ案件を抱えているのかわからないが、抜群の記憶力で、船越さんが何を聞いても少しも迷わず瞬時に答える。 仕事は抜群にデキるこの二人だが、 なんとも厄介な問題を抱えているのだ。 当の本人たちにその自覚があるのかどうかは不明だが、 いや…… 自覚があるとはとても思えないが、 そうだとしたらほとほと迷惑な話だ。 俺は思わずため息を吐き出した。
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