貴婦人のイタズラ

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少し恥ずかしそうに 気まずそうに話されて 鳥肌が立った。 怖ろしく思ったからじゃない。 喜びに、全身が震えたんだ。 そこまで深く 愛され、求められていたことに。 どうして隠すの。 気まずくなるようなことじゃない。 私にとってはこの上なく 喜ばしいことなのに。 もっと、温人さんの心のままに 縛りつけてくれればいい。 「そういうの……言って」 「俺は狭量な男になりたくないんだ」 「そんな風に私は思わない。 もっと温人さんの心が知りたい。 私を愛してるっていうなら 全部全部、言葉にして」 それが私の、幸せに繋がる。
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