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「でも、それはそれで
心配が尽きなくなるな……。
変な虫がついたり、連れ去られたり」
そんなことを
本気で考えてしまう可愛い人の
描く夢を壊してはいけない。
「気が早すぎるよ」
「そうかな。
ああ……でも、どっちでもいいか」
「どっちでも?」
「そう、どちらでも。
君が俺の隣りにいてくれるなら」
例え進むみちが
幾重に分かれていたとして
そのどれを進むかわからず
結果もまたわからないとしても
必ずどの道であっても
ふたりで並んでいられるのなら。
その夜は何度も何度も
私たちは繋がって
余すことなく
私の中に注ぎ込んで。
何かが変わった。
それを感じながら
ふたりの未来を
幸せな色で描いていた。
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