437人が本棚に入れています
本棚に追加
空港までおそらく
温人さんはエスコートを兼ねて
見送りに行くんだろう。
あれから私は
マダムと顔を合わせていない。
彼女が私の答えに
満足したかどうかも不明だ。
もしかしたら
見送りについて行った温人さんを
そのまま自分の国へ
連れて帰ろうとするかもしれない。
あの美しい人なら
それくらいのことを
簡単にやってのけそうだ。
温人さんがそれを
受け入れるはずがないと
わかってはいても落ち着かない。
あの人の手が、唇が
また温人さんに触れると想像すると
それだけで自分が自分ではいられなくなる。
今日で最後だから
許されるだろうと思っているのなら
それは大間違いだ。
最初のコメントを投稿しよう!