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もつれあうようにして
倒れ込んだ寝室のベッドの上。
まるで長い間
おあずけをくらった動物のように
私たちは必死にお互いを求めていた。
呼吸を奪い合うように
唇を合わせ
何度も何度も角度を変えて
熱い舌を絡め
吸って、噛んで食らい合う。
温人さんは私の
薄手のニットをたくし上げ
私は温人さんの
ネクタイを引き抜きシャツのボタンを外す。
途中からは自分で脱いだ方が早いと
舌を絡めたまま
脱皮するように服を捨て去った。
「温人さん、すき……好きです」
「奈々緒……俺の、奈々緒」
睦言の合間に
あちこちに落とされる唇。
チリチリとした軽い痛みが
体中に散っていく。
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