貴婦人のイタズラ

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「嘘じゃない。 俺にとって、君がすべてだ。 それ以外はどうでもいい。 奈々緒が最上で、唯一なんだ」 私の奥の奥を 深く抉りながら嘯く。 俺だけの奈々緒、と。 「あの人を、特別扱いした……!」 「してないよ。 奈々緒から遠ざけただけだ」 「そうやって、私の為にって言えば 全部許されると思ったら……」 「何度でも言うよ。 俺の特別は、君だけだ」 左手をとられる。 真上で見せつけるように、 私のリングにキスをする彼。 それは誓いの行為にも見えた。 「愛してる」 熱と慈愛のこもった瞳で 見つめられると どうしてだろう。 妻というより、女というより まるで子どものような 無防備な心をさらけだしてしまう。
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